- 従業員持株会って入った方がいいの?
- 奨励金制度がお得って聞いたけど本当?
- デメリットもあるんじゃないの?
こんな方に向けて書いた記事です。
それから…
- 検索しても法人サイトの記事ばかり
- 個人の実体験が書かれた記事を読みたい
こんな風に思っていませんか?
この記事では、新卒で東証一部上場企業(現プライム企業)に就職したアラサー会社員投資家の私が、持株会の意外なデメリットをご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
結論からお伝えすると、従業員持株会への加入はあまりオススメしません。

- 『いにしえ』運営者
- ミッションは「会社員が人生の主導権を取り戻すキッカケに」
- 発信軸は❶マインド❷キャリア❸資産構築
- 年収1,000万円のアラサー会社員
- HSP気質の2児の父
- 早期の経済的自立(FI)を目指す
従業員持株会とは?
本題に入る前に、従業員持株会の定義をおさらいしましょう。

従業員持株会をひと言で表すと以下です
勤務先企業の株式をお得に買える福利厚生制度
従業員の資産形成をサポートする福利厚生制度として、大手企業を中心に導入されています。
外部の投資家よりも割安で自社の株式を取得できることから、制度に加入する社員は多い印象です。



そもそも、社員が自社の株式を買っていいんだっけ?



インサイダー取引にあたるから原則ダメだね。ただ、持株会はOKなんだ
【インサイダー取引と持株会】
一定の計画に従い毎月行う定時定額の買付け(各役員・従業員の1回あたりの拠出額が100万円未満)はインサイダー取引規制の適用除外です。
したがって、このような自社の株式の買付けであれば、未公表の重要事実を知っていても可能であり、インサイダー取引規制違反に問われることはありません。
出典:日本取引所グループ
また、従業員持株会の導入は会社にとってもメリットがあります。安定株主を確保できることです。
外部の投資家は株式をいつ売り払ってくるか分かりません。一度に大量の株式を売られたら、会社の株価は急落してしまいます。
従業員に株式を保有してもらえば、そうしたリスクを多少抑えることが可能なのです。



従業員と会社双方にとってwin-winの制度なんだね
従業員持株会に加入するメリット
従業員持株会に加入するメリットを整理してみました。
- 奨励金制度がある
- 少額から投資が始められる
- 給料から自動天引きされる
- 会社業績への意識が高まる
- ドルコスト平均法の効果が期待できる



全部知ってたら、読み飛ばしてね
奨励金制度がある
持株会の最大のメリットはやはり奨励金。
出資した金額のうち一定の割合が奨励金として支給され、株式の取得に当てがわれる(再投資される)のが一般的です。



奨励金の水準はマチマチですが、出資額の10%がもらえる会社もあるよ
仮に10%とすると、10,000円を出資すれば11,000円投資したのと同じことに。これはお得感がありますね。



毎月10,000円を奨励金10%で1年間積み立て続けた場合、以下のイメージに
X年1月 | X年2月 | (以後毎月繰り返し) | 1年間の積立額 | |
通常の積立 | 10,000円 | 10,000円 | ~ | 120,000円 |
従業員持株会の積立 | 11,000円 (出資額は10,000円) | 11,000円 (出資額は10,000円) | ~ | 132,000円 (出資額は120,000円) |
奨励金による増分 | 1,000円 | 1,000円 | ~ | 12,000円 |



1年で12,000円の得は大きいね
奨励金はいわば従業員だけが受けられる恩恵。このお得感に魅了される人は多いです。
少額から投資が始められる
少額から投資を始められるのは持株会のメリットです。
株式投資を始めるには、通常数万円~数十万円の資金が必要。1株あたりの株価が高い企業だと、数百万円が必要なことも。



ファーストリテイリングやキーエンスなどの値がさ株は、初心者には手が出せない金額だね



値がさ株は、”1単元(100株)当たりの株価水準が高い銘柄”のことだね
従業員持株会は1,000円程度から参加できます。
貯金が少ない新入社員や若手社員の方は、特にメリットを感じるでしょう。
給料から自動天引きされる
貯金の習慣が薄い人にとっては、給料から自動で天引きされる点もメリットといえます。
この点は財形貯蓄も同じ。
財形貯蓄との大きな違いは、会社の株価が上昇すれば資産が増えること。もちろん、株価が下落すれば資産が減ります。
「これから貯金習慣を身に着けたい」と考える新入社員には、給与天引きは魅力的ですね。



すでに貯金習慣がある人にとっては、特にメリットにならないかも
会社業績への意識が高まる
自社の業績に対する意識が高まるのも良いですね。
日々の業務にのめり込むと、自社の業績を把握する余裕がなくなりがち。



自分の担当業務のことは分かるけど、それ以外はさっぱり…
なんてこともあるかと思います。
そんな人でも、自社の株式を保有すれば会社業績への意識が高まるでしょう。自分の資産構築に関わることだから、当然ですよね。
会社の業績を詳しく把握できれば、日々の業務にも少なからずプラスになるはずです。



自社株を持っていなくても、把握してるのが理想だけどね…
ドルコスト平均法の効果が期待できる
これは持株会に限った話ではありませんが、ドルコスト平均法の効果が期待できるのはメリットです。
株式や投資信託などの金融商品における投資手法の一つ。一度に大量に購入するのではなく、一定額を定期的に購入し続けることで、平均取得単価を抑える効果が期待できる。



要するに、高いときに少なく、安い時に多く買えるのが魅力ってこと



持株会は毎月一定額を拠出する仕組みだから、ドルコスト平均法の効果が期待できるんだね
株式投資で勝つための鉄則は、安いところで買って高いところで売ること。言葉だけ聞くと簡単そうですが、これが一番難しい。
高い株価で買ってしまい、何度損したことか…。
投資初心者の方にとって、ドルコスト平均法の効果が見込める持株会は魅力的ですね。
ただし持株会に加入しなくても、ドルコスト平均法を活用した投資は可能。証券口座を開設すれば簡単に設定できます。
従業員持株会に加入するデメリット
持株会への加入はデメリットもあります。
以下の4つです。
- 手取り給与が減る
- 好きなタイミングで売却できない
- 株主優待がもらえない
- 会社が傾くとダブルパンチを食らう
手取り給与が減る
これは自動天引きメリットの裏返しですが、手取り給与が減ってしまう点は注意。
持株会への出資金は毎月の給与から差し引かれるため、銀行口座には振り込まれません。
手取額が少ない若手社員のうちは、毎月の収支がカツカツになりがち。持株会の拠出額をムリに高くしてしまうと、月々の生活費が足りなくなる可能性もあります。



最悪の場合、餓死してしまいます



大げさすぎだって
もし持株会に加入するなら、無理のない金額に設定することをオススメします。
好きなタイミングで売却できない
好きなタイミングで売却できないのもデメリットです。
通常の株式投資であれば、どのタイミングで株を売買しても問題ありません。
日本株の場合、証券取引所が開いている時間(9時~15時※お昼に休場あり)であればいつでも取引できます。



持株会の場合そうはいきません。
持株会の定義のところでお伝えしたとおり、会社にとって持株会の最大のメリットは「安定株主の確保」です。
従業員が好きなタイミングで株を売れるようだと、このメリットが失われます。そのため、株を売却しようと思ったら、一定の社内手続きを経て承認をもらう必要があるのです。
私の同僚が持株会をやってますが、手続きが面倒くさすぎて売る気になれないと言ってました。
株主優待がもらえない
持株会に加入しても株主優待はもらえません。
上場企業の中には、自社株式の魅力を高めるアピール材料として株主優待制度を用意する会社もあります。
食品や日用品のような商品からサービス券のようなものまで、会社によってさまざまな優待がありますね。
外部の株主であれば優待券をもらえますが、社員はもらえないので気をつけましょう。



上場企業について知りたい方は、以下もどうぞ
会社が傾くとダブルパンチを食らう
これこそ私が持株会をやらない理由なのですが、会社が傾くとタブルパンチを食らう恐れがあります。



ダブルパンチって、何と何?



極端にいうと、クビになるリスクと資産がゼロになるリスクだね
会社が倒産すると、従業員はほとんどの場合クビになります。同時に、その会社に投資していた株式は紙切れ同然に。
自分の勤務先企業に投資することは、この2つのリスクを同時に背負うことにほかなりません。
もちろんこれは最悪のケース。ですが投資をする上で最悪のケースを想定することが大切です。
この説明を聞いて怖いと感じたなら、持株会への加入は見送ってください。あるいは少額に留めてください。
従業員持株会に関する世間の声
私の個人的な話に入る前に、世間の声を聞いてみましょう。
ポジティブな声



まずはポジティブな声から



本記事で取り上げたメリットに加え、昇格に有利という声もあったね
ネガティブな声



続いてネガティブな声



リアルな声は説得力があるね..
メリットは多い。でもデメリットが致命的
ここまで持株会のメリット・デメリットをご紹介してきました。
確かにメリットも多いですが、デメリットもあることがお分かりいただけたと思います。
なぜ私が持株会をオススメしないのか。その理由はやはり、以下のデメリットが致命的すぎるからです。
会社が傾くとダブルパンチを食らう



”クビになるスリク”と”資産がゼロになるリスク”でしょ?覚えたぞ



ちなみに、以下の投資の格言をご存知ですか?
卵は1つのカゴに盛るな



卵?カゴ?何の話?
古くから受け継がれる投資の格言。欧米の”Don’t put all your eggs in one basket.”を日本語訳したもの
卵を複数のカゴに分けて盛ると… 1つのカゴを落としても、他のカゴの卵は無事にすむ
卵を1つのカゴに盛ると… そのカゴを落としたら、すべての卵が割れるかもしれない
以下、簡単に図示してみました。


持株会に加入するのは、2つの卵を1つのカゴに盛るのと同じ。ここで言う卵は「あなたの労働力」と「あなたのお金」です。
可能性が低いとはいえ、最悪のケースを想定すると持株会への加入はオススメしにくいですね。
持株会に加入しなかったアラサー会社員の末路
持株会制度が用意された会社に入社したのに、持株会に加入しなかった私の末路。気になりませんか?



どうせ散財しすぎて一文無しでしょ?



残念。色々な条件にも恵まれ、20代で3,000万円を築けました
私の資産の話をするのは、自慢するためではありません。上には上がいます。自慢するほどの資産ではないと思っています。
ここで私がお伝えしたいのは、持株会に加入しなくても効率的に資産を構築できる方法があるということ。



その方法はインデックス投資です
インデックス投資とは、インデックス(市場の動きを示す指数)と同じ値動きをすることを目指して運用する投資手法。
個別銘柄への投資と異なりリスクを分散させられるため、投資初心者から熟練投資家まで幅広い層に人気です。



アランは完全にインデックス投資派だよね
なお、インデックス投資の具体的な内容やオススメの証券会社については、今後別記事で紹介させてください。



すみませんが、もう少しお待ちください
さいごに
さいごにまとめです。



この記事のポイントは以下
- 奨励金制度がある
- 少額から投資が始められる
- 給料から自動天引きされる
- 会社業績への意識が高まる
- ドルコスト平均法の効果が期待できる
- 手取り給与が減る
- 好きなタイミングで売却できない
- 株主優待がもらえない
- 会社が傾くとダブルパンチを食らう



特にデメリットの4つめが致命的って話だったね
もちろん持株会への加入を全否定するつもりはありません。
中には持株会で大きなリターンをたたき出す人もいます。所属企業が急成長すれば、あなたの資産も大きく増えるでしょう。
ですがやはり私のスタンスは変わりません。
投資初心者であればなおさら、自分でインデックス投資を始めることをオススメします。
この記事が持株会に加入すべきか悩む方の参考になっていたら、嬉しいです。
最後まで読んで下さりありがとうございました。