ソーシャルレンディングは株や債券より利回り高いって聞くし、たくさん投資して儲けてやるぞ。
こんな夢を描いてワクワクしている投資初心者の方はいませんか?
はっきり言います。

悪いこと言わないからやめておきましょう
確かにソーシャルレンディングは高い利回りを期待できます。利回り10%なんて聞くと、心が揺れ動きますよね。
でもその心のトキメキは危険のサイン。バンジージャンプをする前のドキドキと同じです。
実際にソーシャルレンディングに投資し、損失を被った私はそう思います。
この記事では、私の失敗談を交えながらソーシャルレンディングの危険性をお伝えします。
ソーシャルレンディングを始めるか迷っている方は、是非お目通しください。


- 『いにしえ』運営者
- ミッションは「会社員が人生の主導権を取り戻すキッカケに」
- 発信軸は❶マインド❷キャリア❸資産構築
- 年収1,000万円のアラサー会社員
- HSP気質の2児の父
- 早期の経済的自立(FI)を目指す
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングはクラウドファンディングという投資手法の一種で、事業資金を集めたい企業(ボロワー)と投資でリターンを得たい個人投資家(レンダー)をマッチングする仕組みを指します。
サービスを提供するソーシャルレンディング事業者が間に入ってお金のやり取りをしてくれるので、投資家からすると手間をかけずに投資できるメリットがあります。



簡単に図示するとこんな感じ


ちなみにソーシャルレンディングの発祥は海外です。
2002年に英国で世界初のソーシャルレンディングが誕生。その後、米国やヨーロッパ各国、中国、韓国などでサービスが開始されます。
日本でも2008年にmaneoが国内初のソーシャルレンディングサービスを開始。今では複数の事業者がサービスを提供しています。



何でそんなに人気が出たの?



最大の理由は、高い利回り(リターン)が期待できるからです
ソーシャルレンディングの幕開けは、リーマンショックの時期と重なります。
リーマンブラザーズの破綻によって世界経済は大混乱。銀行を始めとした金融機関は、資金繰りが厳しい中小企業への融資をストップします。
ソーシャルレンディングは、リーマンショック下でお金を借りられない企業の受け皿となりました。
銀行が融資してくれなくても、投資をしたい個人からお金を借りれば事業ができる。資金繰りが厳しい企業にとって、これはありがたい仕組みだったんですね。
投資家にとっても、高い利回り(リターン)が見込めることから人気を博しました。



聞いてると良いサービスに思えるけど
ソーシャルレンディングが危険な4つの理由
ここからはソーシャルレンディングが危険な理由をご説明します。
全部で4つ、順にご紹介しますね。
返済遅延・貸し倒れのリスクが高い
ソーシャルレンディングは、ほかの一般的な投資商品に比べ返済遅延や貸し倒れのリスクが高いです。
返済遅延と貸し倒れの違いは、ざっくり以下のイメージです。
- 返済遅延:投資(融資)したお金が、返済期日どおりに返ってこないこと
- 貸し倒れ:投資(融資)したお金が、将来にわたって返ってこないこと
貸し倒れはデフォルトとも呼びますね。
遅延や貸し倒れリスクがなぜ高いかというと、融資先企業の信用が低いことが多いからです。
先述のとおり、ソーシャルレンディングはリーマンショック下で銀行融資を受けられない中小企業の受け皿の役目も果たしました。
これは裏を返せば、ソーシャルレンディングの融資先企業は財務状況が悪いことを意味します。



お金が返ってこない可能性が高いから、銀行は貸してくれないんだね
もちろんリスクが高い反面高いリターン(利回り)が設定されますが、お金が返ってこなければ元も子もありません。
ソーシャルレンディングを始めるなら、お金が返ってこない覚悟が必要です。
流動性が低い
流動性が低いのもソーシャルレンディングが危険な理由の1つです。
流動性の定義は以下をご参照ください。
【流動性】
流動性とは、交換のしやすさのことです。文脈によってその意味は異なりますが、次のようなことを指します。出典:日本銀行
- 株や債券といった資産の保有者が大きな価値の損失を被ることなく当該資産を速やかに処分できる度合い
- 現金や資金そのもの、または市場で速やかに取引を行える国債等の資産そのもの(流動性資産)
- 流動性資産の保有度合い、または流動性資産を調達できる能力



要するに、売りたい時に売りづらいってことだね
ソーシャルレンディングの貸付期間は、短くて半年、長いものだと数年後です。多くの案件では中途解約や換金ができない契約になっており、貸したお金は返済期限まで返ってきません。
返済遅延や貸し倒れのリスクが高いだけではなく、途中で解約もできない。
これではもはやジャイアンにお金を貸すのと同じレベルです。



それは大げさだね
担保設定がされていない場合がある
担保設定がされていないケースも散見されます。
担保の定義は以下をご参照ください。
【担保】
出典:ARUHI
融資を受ける際に、金融機関に対して返済不能などになった場合の返済を保証するために債務者が差し出すものを「担保」といいます。
担保の対象となる資産は、不動産が代表的ですね。返済不能となった場合は担保設定された不動産を強制的に売却し、その売却代金を返済に充てるのが一般的です。
全額が返ってくる保証はないけれど、不動産の担保設定があると少し安心ですよね。
しかしソーシャルレンディング案件の中には、担保設定がないものが存在します。
ただでさえ貸し倒れリスクの高い投資手法なのに、担保もない案件となると相当危ないです。
詐欺の場合がある
驚かれるかもしれませんが、詐欺もあります。
お金だけ集めるだけ集めておきながら、実際には事業を営んですらいなかった。なんてこともあるのです。
例えば、SBIグループの子会社だったSBIソーシャルレンディングも詐欺事件に巻き込まれました。詳細はこちらの記事を見てもらえればと思いますが、貸付先の会社が不正を行ったことが発覚し、行政処分を受けています。



結局SBIは、ソーシャルレンディング事業から撤退したんだよね
このように、大手事業者だからといって安心できないのが怖いところ。いくら大手でも、貸付先の不正に気づけるとは限りませんからね。
事業者が見抜けない不正や詐欺をレンダーである個人投資家が気づけるか。答えは言うまでもありません。
ソーシャルレンディングで貸倒れに遭った話
ここまでソーシャルレンディングの危険性を謳うからには、私の体験談もお伝えしないとですね。
先日以下のツイートをしました。
時は2018年まで遡ります。私はmaneoというソーシャルレンディングサービスを通じて、とある不動産事業者へ出資しました。
初めてのソーシャルレンディングだったので、私は慎重でした。数ある投資案件の中から「不動産担保付き」の案件を選びました。運用利回りは6.8%と控えめでしたが、安全性を重視したつもりでした。



これなら安心だろう
私は完全に高をくくっていました。
ふたを開けてみるとあらビックリ。maneoからメールが届きました。


実際にはもっと長いメールですが割愛します。要約すると、次のようなことが書かれていました。
- 元本が回収できない可能性がある
- 担保不動産の競売・任意売却を推進するが、無理かもしれない
- 運用期間中の利息は分配できない
このときの案件はニュースにもなり、maneoは金融庁から行政処分を下されました。
もちろん、2022年現在も投資元本は返ってきていません。



3万円だけの投資で本当によかった
ソーシャルレンディングで損しない方法


私のように損をしたくない方に向けて、ソーシャルレンディングで絶対に損をしない唯一の方法を伝授します。
それは、以下の方法です。
絶対に手を出さないこと
先述のとおりソーシャルレンディングはハイリスクな投資手法です。
絶対的な安心はまずないと思ってください。出資したお金は返ってこない前提でいるくらいの覚悟が必要です。
ちなみに、ソーシャルレンディングのリスクを抑えるためのコツとして、以下の説明をよく見かけます。
- 少額の投資に留めよう
- 比較的安心できる会社のサービスを利用しよう
- 利回りが相対的に低い案件を選ぼう
- 運用期間が短い案件を選ぼう etc..
はっきり言います。



それならソーシャルレンディングの必要ないよ
ソーシャルレンディングの唯一のメリットは、高い利回りです。
しかし利回りがいくら高くても、少額の投資だとあまり効果がありません。
1万円を年利3%で運用 =300円の利益
1万円を年利10%で運用=1,000円の利益
これは誤差です。7%の利回り差も、ラーメン一杯食べたら無くなる金額でしかありません。
運用期間が短い案件を選ぶのも、利益を得られる期間が短くなるだけで、あまり意味がないです。
初心者にはインデックス投資がオススメ
ソーシャルレンディングは確かに高いリターンが期待できます。
「ほったらかしで利回り10%!」なんて聞くと、投資初心者の方は惹かれてしまいますよね。
この記事を読んでソーシャルレンディングの危険性を感じた方は、是非一度立ち止まってみてください。



でも、何に投資すれば良いか分からない
そんな方にはインデックス投資をオススメします。
インデックス投資とは、「インデックス(市場の動きを示す指数)」と同じ値動きをすることを目指して運用する投資手法のこと。
個別銘柄への投資と異なりリスクを分散させることができるため、投資初心者に特に人気の投資手法です。



私も今は完全にインデックス投資派だよ
インデックス投資の具体的な内容やオススメの証券会社については、今後別記事でご紹介しますね。
最後まで読んで下さりありがとうございました。