- 最近よく聞くつみたてNISAって何?
- どんなメリット・デメリットがあるの?
- どうやって始めればいいんだろう…?
この記事ではこんな疑問にお答えします。
賃金は上がらない一方で、生活コストが急激に上がり始めた日本。円安も進行しつつあり、いよいよ貯金だけではお金を守れない時代になってきました。
とはいえ、競馬や宝くじで一発逆転!みたいな運任せな方法には期待できません。
今回ご紹介するつみたてNISAは、リスクをある程度抑えながら堅実に資産形成ができる制度。私自身も存分に活用しています。
この記事でお届けする内容は以下のとおりです。つみたてNISAを活用されてない方は、ぜひ最後までご覧ください。
- つみたてNISAの概要
- つみたてNISAのメリット・デメリット
- つみたてNISAに向いてる人・向いてない人
- つみたてNISAにオススメの証券会社

でも、つみたてNISAって2024年に改訂されるんでしょ?



この記事では現行の制度について説明します。新NISAの詳細は別途書きます


- 『いにしえ』運営者
- ミッションは「会社員が人生の主導権を取り戻すキッカケに」
- 発信軸は❶マインド❷キャリア❸資産構築
- 年収1,000万円のアラサー会社員
- HSP気質の2児の父
- 早期の経済的自立(FI)を目指す
つみたてNISAとは
NISAの概要
つみたてNISAはNISA制度の1つ。全体像をイメージするために、まずはNISAの概要からお伝えします。
NISAとは「少額投資非課税制度」のこと。ザックリいうと、税金が免除されるお得な投資制度です。
制度の発祥はイギリスの個人貯蓄口座(Individual Saving Account:略称ISA)。NISA制度は、ISAを参考に作られた経緯があります。



日本版のISAだからNISAと呼ぶんだね



ちなみに、NISAは大きく3つに区分されます※2023年時点


※2023年時点
この記事でご紹介するのは、真ん中の「つみたてNISA」です。
つみたてNISAの概要
つみたてNISAの概要について、ほかの2つと比較しながら見てみましょう。



こちらの表が、2023年までの現行NISA制度の全体像です
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
制度開始 | 2014年1月 | 2018年1月 | 2016年4月 |
年齢制限 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20歳未満 |
非課税投資枠 | 120万円/年 | 40万円/年 | 80万円/年 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 ※2023年末以降に非課税期間が終了するものは、20歳まで非課税での保有を継続可能 |
投資対象商品 | 上場株式・ETF・ 公募株式投信・REIT等 | 長期・積立・分散投資に 適した一定の投資信託 ※金融庁への届出が必要 | 一般NISAと同じ |
買付方法 | 通常の買付け・積立投資 | 積立投資のみ | 一般NISAと同じ |
払出制限 | なし | なし | あり(18歳まで) ※災害等でやむを得ない場合には非課税での払出し可能 |
備考 | 2023年末で制度終了 |



2024年以降の新制度はこちら
つみたてNISAは、その名のとおり積立投資を前提とした制度。
長期投資に適した投資信託や上場株式投資信託(ETF)がラインナップされており、投資初心者をはじめ誰もが利用しやすい仕組みとなっています。
一般NISAと比べ年間投資枠が少ないものの、非課税期間が長いのが特徴です。



長期間かけてコツコツ投資したい人は、つみたてNISA向きだね
NISAは運用益と配当金が非課税
そもそも非課税ってどういうこと…?
という人もいると思うので、簡単に説明します。
株式投資では通常、値上がり益(運用益)や配当金に対し20.315%の税金がかかります。もし10万円儲かっても、税金として2万円取られるのです。
NISA制度を使って投資すればこの税金が免除されます。これを非課税と呼ぶんですね。


もちろん利益が大きくなればなるほど、非課税のメリットも大きくなります。



これは使わない手はないね
非課税投資枠と期間のイメージ
非課税がどんなものかは分かった。でも…
- 非課税投資枠って何?
- 非課税期間って何?
まだパッとイメージが沸かない人もいるかもしれません。



以下の図をご覧ください


つみたてNISAの非課税投資枠は、最大で年間40万円。これはつまり、毎月33,333円まで投資できるということです。
非課税期間は20年。投資した商品は、最長で20年間非課税のまま運用できます。その間は、毎年40万円の投資を続けてもいいし、途中で積立額を変更したり、積立をストップしてもOKです。



非課税期間が終わるとどうなるの?



現金化したり、NISA以外の口座に移したり。選択肢は様々だよ
ちなみに、2024年以降の新NISA制度では非課税期間が無期限になる予定です。



20年経過後も非課税のまま保有し続けられるってこと…?すごい!
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAのメリットは、何といっても運用益・配当金が非課税な点。ですが他にも優れた点がたくさんあります。
私が考えるつみたてNISAのメリットはこちら。
- 運用益・分配金が最長で20年間非課税
- 金融庁の審査をクリアした商品が対象
- 少額から投資できる
- 低コストで投資できる
- いつでも現金化できる
- 投資タイミングを考える必要がない
- ドルコスト平均法の効果が期待できる
たくさんあるので簡単に触れていきます。
運用益・分配金が最長で20年間非課税
この話は何度か出てるので大丈夫ですね。
現行のつみたてNISA制度では、運用益・分配金が最長20年間非課税。通常であれば20.315%の税金がかかるところ、それがゼロとなります。



NISA以外だと、10万円利益が出たら2万円も税金で取られる…



NISAなら10万円まるごと自分のものになるんだね
投資金額が大きければ大きいほど、インパクトは当然大きくなります。
金融庁の審査をクリアした商品が対象
つみたてNISAで買える商品は、金融庁の審査をクリアした投資信託・ETFのみ。
長期投資・分散投資に適した商品がラインナップされているため、投資初心者でも安心して始められます。
投資したお金が紙くずになるようなハイリスク商品は、原則ありません。
少額から投資できる
少額から投資できるのもメリットです。



積立投資を始めたいけど、毎月10万円も20万円も入金できない…
こんな悩みを抱える方もいるでしょう。
つみたてNISAはそんな方にもピッタリ。金融機関によってルールは異なりますが、月額100円や1,000円から投資できます。
これなら資金に余裕がなくても始められますね。



非課税投資枠40万円/年は、あくまで上限。無理に埋めなくてOKです
低コストで投資できる
つみたてNISAの対象商品は、いずれも比較的低コストです。
金融庁が以下の要件を定めているため、手数料が法外に高い商品は原則ラインナップされません。
- 販売手数料がゼロ(ノーロード)
- 信託報酬が一定水準以下
長期投資をするなら、投資にかかるコストは最小限に抑えたいですよね。



商品によって手数料や信託報酬に差はあるから、もちろん比較検討は必要
いつでも現金化できる
つみたてNISAで買い付けた商品は、いつでも売却できます。
積立投資の成果は長期スパンで発揮されるものなので、個人的には早期売却をオススメしません。
ですが中には、結婚や子どもの教育費などで現金が必要になるケースもあるはず。



つみたてNISAなら、即座に現金化できるから安心だね
ちなみに、NISAと比較されることが多いiDeCoでは、拠出額は原則60歳まで引き出せないので注意です。
投資タイミングを考える必要がない
その名のとおり、つみたてNISAは積立型の投資手法。ご自身が設定した金額・日付で、自動的に商品が買い付けられます。
- 今月は何日に買おうかな…
- 今買ったら損するかな…
こんなことで悩む必要はありません。



時間がないサラリーマンには特に、ありがたいね
ドルコスト平均法の効果が期待できる
毎月一定額を積立て続けることで、ドルコスト平均法の効果も期待できます。
株式や投資信託などの金融商品における投資手法の一つ。一度に大量に購入するのではなく、一定額を定期的に購入し続けることで、平均取得単価を抑える効果が期待できる。



要するに、高いときに少なく、安い時に多く買えるってこと
投資の基本は安く買って高く売ること。これができる天才トレーダーなら、定額で積み立てる必要などありません。
でもほとんどの人は天才トレーダーではないはず。
ドルコスト平均法は、誰でも平均かそれ以上のリターンを得られる可能性が高く、初心者に適した投資手法なのです。
つみたてNISAのデメリット
メリットがたくさんあるのは分かったけど、デメリットはないのでしょうか?
正直、個人的にはほとんど無いと思っていますが、デメリットと言えそうな事項を挙げてみます。
- 元本割れのリスクがある
- 選べる商品が限定的
- 損失が出たら非課税メリットを受けられない
- 年間40万円という上限がある
- 一括投資ができない
元本割れのリスクがある
つみたてNISAに限った話ではありませんが、元本割れのリスクは当然あります。
投資をする以上、評価額が元本(投資した金額)を下回らない保証はありません。リスクとリターンは常にセットだからです。



損したくないよ…
気持ちは分かります。たしかに一時的に損失が生じる可能性はあります。数十年後に利益が出ている保証もありません。
ですが過去の歴史を見れば、中長期の投資で一定のリターンが見込める可能性は高いと言えます。もちろん「優良な投資先を選んでいれば」という条件つきですが。
例として、米国の代表的な株式指数であるS&P500の推移を見てみましょう。



赤色がS&P500です


※上記は、過去の実績であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
出典:マネックス証券
ITバブル崩壊やリーマンショックなど、過去に何度も暴落を経験してますが、中長期的にみれば右肩上がりとなっています。



S&P500に長期投資をしてたら、相応のリターンが得られたってことね
もちろん将来のことは誰にもわかりません。元本割れのリスクがあることは、理解しておきましょう。
選べる商品が限定的
つみたてNISAの対象は金融庁が認めた商品だけ。これはつまり、選べる商品が限られることを意味します。
たくさんの商品から選びたい!という人には、少し物足りないかもしれません。
でも大丈夫。つみたてNISAは、NISA以外の証券口座(一般口座・特定口座)と併用できます。
銘柄選びを楽しみたいなら、つみたてNISAとは別にやればOKです。
損失が出たら非課税メリットを受けられない
つみたてNISAで損失がでたら、非課税のメリットは原則なくなります。税金は利益に対して発生するものだからです。
また、つみたてNISAの口座で発生した損失は、特定口座や一般口座で保有する商品の譲渡益や配当金と損益通算ができません。繰越控除もできません。
損益通算とは、同一年分の利益と損失を相殺することです。上場株式等の投資を行って利益(譲渡益や配当など)が出た場合は税金がかかりますが、一方で損失が出た場合には利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができます。それでもマイナスになった場合、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越して控除することも可能です。
出典:SMBC日興証券
損失の繰越控除とは、本年分の損失を控除しきれないときに、翌年以降にその損失を繰り越して翌年以降の利益から控除することができる制度です。
出典:SMBC日興証券
元本割れのリスクと合わせて押さえておきましょう。



私は中長期的に利益が出ると信じてるので、気にしてません…!
年間40万円という上限がある
年間40万円という投資上限も、人によっては物足りなさを感じるでしょう。
ただこれもデメリットとは言い切れません。つみたてNISAとは別に、一般口座や特定口座で投資をすればいいからです。
また2024年の改訂により投資枠は大幅に増えることが予定されています。
上限があることだけ押さえてもらえればOKです。
一括投資ができない
つみたてNISAでは基本的に一括投資ができません。
毎月一定の額を自動的に積み立てる方法なので「今月は30万円投資しちゃえ」みたいな判断はできません。
相場が安いタイミングで大金を投じたい人には、あまり適さないでしょう。



こういう人には、一般NISAの方が合ってそうだね
つみたてNISAに向いてる人・向いてない人
ここまでの内容を踏まえ、つみたてNISAに向いてる人・向いてない人の特徴を整理します。
向いてる人
つみたてNISAに向いてるのは、以下のような人です。
- 投資初心者の人
- 時間をかけて資産形成できる人
- 資金を拘束されたくない人
つみたてNISAは、長期間・分散投資を行うことで、市場平均かそれをやや上回るリターンを目指す方法。そのため、投資初心者の方や若年層の方には特に向いています。
またiDeCoと異なり売却時期に制約がないことから、資金を拘束されたくない人にも適しています。
もちろん長期投資が前提なので、早期売却は避けたいところ。とはいえ「最悪売ればいい」という安心感はあるはずです。
向いてない人
つみたてNISAは比較的多くの人に適した制度だと考えます。
強いて言えば、以下の人には向いていないかもしれません。
- 月々の収支がカツカツの人
- 元本割れを絶対に許せない人
- 短期間で大儲けしたい人
月々の収支がカツカツの人は、無理に始める必要ありません。投資は人生を豊かにする手段であって、目的ではないからです。つみたてNISAのせいで生活費がたりない…となっては元も子もありませんよね。
元本割れが絶対に許せない人も、ストレスになるなら始める必要ありません。
つみたてNISAにオススメの証券会社
結論からお伝えします。証券口座はSBI証券か楽天証券で開設するのがオススメです。
取り扱い商品の豊富さや取引コストの安さなどを理由に、上記2社は多くの人に支持されています。



ポイント制度なんかも充実してるね
逆にオススメしない方法は銀行や証券会社のリアル窓口で口座を開設すること。
リアルの窓口で口座開設すると、手数料や信託報酬などの取引コストが高くなりがち。人件費や店舗家賃などが手数料に反映されているからです。
長期投資において取引コストの低さは超がつくほど大切。手数料率でみると小さな差でも、トータルリターンは大きく変わります。



特に理由がないなら、ネット証券で始めよう
つみたてNISAで未来の自分を楽にしよう
さいごにまとめです。
- 運用益・分配金が最長で20年間非課税
- 金融庁の審査をクリアした商品が対象
- 少額から投資できる
- 低コストで投資できる
- いつでも現金化できる
- 投資タイミングを考える必要がない
- ドルコスト平均法の効果が期待できる
- 元本割れのリスクがある
- 選べる商品が限定的
- 損失が出たら非課税メリットを受けられない
- 年間40万円という上限がある
- 一括投資ができない
- 投資初心者の人
- 時間をかけて資産形成できる人
- 資金を拘束されたくない人
- 月々の収支がカツカツの人
- 元本割れを絶対に許せない人
- 短期間で大儲けしたい人
つみたてNISAはとても魅力的な制度です。口座開設する金融機関や銘柄をしっかり選びさえすれば、初心者にも始めやすいです。
1年や2年で大きなリターンが出るものではありませんが、10年後・20年後の自分を楽にしてくれる可能性があります。少なくとも私はそう信じています。
もちろん未来のことは誰にもわかりません。投資の世界に絶対はありません。投資のご判断は、自己責任でお願いいたします。



証券口座の開設方法や私が購入する商品は、別記事でご紹介予定です
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